2012年05月22日

女子の再婚禁止期間

弁護士 大河内由紀

 

1 民法733条1項は、「女は、前婚の解消又は取消しの日から6箇月を経過した後でなければ、再婚をすることができない。」と規定しています。

  このように女子にのみ再婚禁止期間が設けられた根拠は、父性推定の混乱、すなわち生まれた子が前夫の子か後夫の子かわからない事態となることを避けることにあります。

 

2 しかし、この規定に関しては、様々な批判があります。

   まず、6か月という期間は長いという批判があります。父性推定の混乱を避けるには、6か月でなく、3か月で十分といえるということです。

   また、現在では、DNA鑑定によって、父性を明らかにすることも十分可能であって、民法733条1項の規定の存在自体に異義が唱えられています。

 

3 もっとも、民法733条1項の適用が除外される場合もあります。

  まず、同条2項が、「女が前婚の解消又は取消しの前から懐胎していた場合には、その出産の日から、前項の規定を適用しない。」として、民法733条1項の適用除外を定めています。

  また、明文はないものの前婚の夫と再婚する場合や女性が明らかに懐胎可能な年齢を超えている場合等父性推定の混乱のおそれがない場合には、民法733条1項は適用されないといわれています。

 

4 ただ、前述したとおり、現在では、DNA鑑定によって、父性を明らかにすることが可能である以上、民法733条1項自体の存在について異義のあるところです。

  したがって、民法733条1項の規定自体を廃止するのが適当といえるでしょう。



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2012年05月16日

証拠収集は慎重に

弁護士 岡本珠亀子

 

 こんにちは。暑くなってきましたね。

 よく、相談者の方が、「証拠はたくさんあります!」と言って持ってきたものが、「おしい!」感じのものばかりであることがあります。そこで、本日は、離婚の紛争に備えて証拠を集める際、注意する点についてお話ししようと思います。

 例えば、不貞の証拠を集める場合、ラブホテルに行った配偶者と不貞相手の姿を写そうとする方はたくさんいます。ところが、おしいのが、入ったところを写しただけで、すぐに2人の間に割って入ってしまったというパターンです。これでは、2人が肉体関係を持つのを阻止したも同然です。配偶者がラブホテルに入るのを見て怒りがこみ上げてくるのは当然のことですが、不貞行為を疑って慰謝料請求をするために尾行しているのであれば、落ち着いて証拠を集めましょう。また、入る所だけでなく、出てくるところも写した方がよいです。入るところと出るところを写すことにより、ラブホテルに入り、肉体関係を持ち、そして出てくるという一連の行為が分かります。入ったところの写真だけだと、いったん入ったけれど部屋を利用せずすぐに出てきた、などと言われる可能性があります。

 不貞を発見し、興奮して、不貞相手と配偶者の間に割って入って、不貞を白状させようとする方もいます。白状させたことでそのときは満足するかもしれません。でも、後日慰謝料請求をしたときにしらばっくれられたら、録音がないと、せっかくの白状が水の泡です。不貞相手の所に行って、不貞を白状させるなら、せっかくなので、ボイスレコーダーで録音しておきましょう。

 メールも証拠になりますが、発信者、受信者、送受信日時がわかるようにメールを確保しなければなりません。たまに、本文だけ写真に撮ったりする方がいますが、これでは、相手方に「自分は書いていない。」と言われるおそれがあります。

 財産関係については、預金通帳のコピーを証拠として使うことが多いのですが、これも、取引の履歴部分だけしかコピーしない方がいます。しかし、これでは、だれのどこの金融機関の口座の通帳なのかが分からなくなりますので、相手方に、「自分のじゃない。」、「知らない。」などと逃げられるおそれがあります。表紙から履歴の末尾まで全てコピーしておきましょう。

 カメラを使う場合は、もちろん、ピンボケにならないようにしなければなりませんし、ボイスレコーダーを使う場合は、少しは録音の練習をしてからがよいでしょう。



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2012年05月10日

Facebook離婚

弁護士 仁藤 仁士

皆様、こんにちは。

 

1 イントロ

 近年、国内ではmixiあたりが火付け役となって隆盛しているソーシャルネットワーキングシステムですが、アメリカやイギリスでは離婚の原因としてFacebookでの記載を発見したことが割合的に増えているようです。

 

2 Facebookは自身のプロフィールを公開することで、ネットを介した交流をはじめるツールです。遠方の人とリアルタイムに近い感覚で近況を報告し合って交流を深めたり、旧知の間柄の人たちとばったり再会して旧交をあたためられたりするなど、上手く使いこなせば多面的な交流をアシストする効能があるようです。

 

3 読売新聞の2012年3月8日付の記事によれば、英米では、Facebookで異性に対して不適切なメッセージを送っていたのが発覚したこと、Facebookで別居中の夫婦が相手を罵倒したこと、配偶者の行動についてFacebookの友人から報告を受けた、などといった出来事から離婚にまで発展しているケースが増加中のようです。

メッセージについては、今まで携帯電話のメールから怪しげな行動が発覚したというのと似ていると思います。別居中の夫婦喧嘩についてはコメントの削除が可能とはいえ記録に残ってしまうので、内容は人それぞれですが喧嘩の様子を証明する客観的な証拠となりえますね。友人の報告については、今まででしたら地元にいる共通の友人が目撃した、というようなレベルでしたが、Facebookで配偶者のアカウントを明かしてしまうと見つかる可能性が一気に増えてしまいますね。

  ここ最近の離婚の端緒としては、携帯電話のメールや写真の中身を見て知ったというのが割とあったのではないかと思いますが、英米ではそれがFacebookに拡がったという見方をすべきなのでしょう。日本であれば他にmixiTwitterから発見される可能性もありそうですね。

 

4 離婚原因につながる情報を得るために、架空のアカウントを設定して他方配偶者へ友人登録の申請を行うといった方法が考えられます。私でも直ぐに思いつくのですから既に試した人はいるかもしれません。

ただ、このような方法で得られた証拠を有効な証拠として扱って良いものか、個人的には悩ましい気が致します。他方配偶者が居ない間に携帯電話のメールをのぞいてしまうのと似ているようにもみえますが、これは携帯電話にロックをかけていなかった本人のミスによるところが大きいとは思います。

しかし、Facebookに関しては、慎重さが足りなかった、の一言で片づけてしまうのは、友人を増やそうというそもそものねらいからするとなかなか酷であるように思います。

とはいえ、裁判で提出されても、証拠収集の過程や証拠の適法性については刑事事件ほど厳格な判断を受けるわけではありませんので、おそらくは有効な証拠として扱われてしまうとは思います。そもそも、そのような記事を掲載しなければいいだけの話ですが、海外では増加傾向にあるとのことですから、国内でもそのうち増えてくるのかもしれません。

 

 今回もお付き合いいただきありがとうございました。

avance_lg at 13:24|Permalinkこの記事をクリップ!離婚ゴシップ